お茶の水出しは香りを引き出す手法

中国茶は水出しするとうまい。

渋みや旨味を味わう日本茶と違い、中国茶は香りを楽しむ文化だと思っている。

 

水出しにすると香りを強く抽出できる。

理由は、温度が低いと苦味や渋みが抽出されにくいからだ。

お湯で香りを強く出そうと思って抽出時間や茶葉の量を増やしても、香りとともに苦味や渋みが強く抽出されて飲めたものではなくなる。

しかし、水出しだと苦味や渋みを抑えられるため、抽出時間や茶葉の量を増やしても香りだけを強く抽出することができる。

 

日本茶でも、香りを楽しむ緑茶や萎凋煎茶などは水出し向きだ。

逆に玉露や旨味系の緑茶は特徴が出にくい傾向にある。

 

香りが美味しいお茶なら水出しを試す、というのは一つの法則として覚えておいて良い。

 

コーヒーでも同じことが言えそうだ。

コーヒーの水出しを自分で作ることはないのだが、店で飲んだ印象としては、水出しは浅煎りの香りが強いコーヒーに向く。

昔ながらの点滴式水出しコーヒーは置いておいて、麦茶式のポットに挽いたコーヒー豆を入れて水出しするスタイルであれば、浅煎りの香りをうまく引き出せるはずだ。

酸味や渋みの調整がある分、お茶よりも難しいかもしれないが。