片親なのは幸せなことだった

片親で良かった

ぼくの両親は離婚している。
両方クソ野郎だ。


他の家庭を見て、良好な家庭に憧れたことはなかった。
他人に同情されたこともあったが、今にして思えば随分と幸せだった。


なぜなら、クソ野郎の影響が半分以下で済んだからだ。
ぼくが小さい頃に親は離婚したので、家を出た片方の影響はほとんど受けていない。
アレの影響を微かにでも受けていたと思うと、本当にゾッとする。


勿論、まともな両親を持って、互いに支え合う家族であれば最高だろう。
そうでなかったとしても、最悪の環境は避けられた。
これはこの上ない幸運と言わざるを得ない。


毒親だとかなんだとか、世間で言われていることが、あまり理解できなかった。
両親に干渉されるほど、親の存在感がなかったというのが正直な理由なのだが、これは随分と幸せなことだったのだと、今になって再認識した。
自分の想像力が足りなかった。

両親の元で育った自分というのを想像して、血の気が引いた。

 

 


クソ野郎であっても居ないよりはマシ、なんてことは全くない。
クソ野郎は居ないほうがマシなのだ。
反面教師としては役に立っても、そんな奴と接する時間は少ない方が良いに決まっている。
最高の家庭ではなかったが、ぼくは幸運だったのだな、と今となっては思っている。