映画「ミッシングポイント」を見た

以前にも見て良かったのでもう一度見たのだけど、すごく良かった。

とくに派手なシーンは無いものの、パキスタンアメリカが舞台で映像的にも目新しく、内容も多層的で良かった。

911前後のアメリカで過ごすムスリムが受けた理不尽を描き、アメリカが中東を身勝手に支配しようとする姿を描き、資本主義的な西洋社会と対比した中東社会を描く。

落ち着いた映画なので、役者の演技が際立っているし、世界史や現代史を知っていると、更に物語の理解が深まる。

 

イスラム社会としてパキスタンを選んだのも絶妙で、インドとの紛争が度々あって、アメリカの介入もあってと、なかなか複雑な国。

パキスタンハーフのリズアーメッドが絶妙な役どころ。

実はインド人が監督というのも面白い。

 

911後はイスラムがハリウッドの悪であった時期が長く、この映画みたいに親イスラム的な作品は稀。

やや過剰というか、記号的な表現もあるし、人を選ぶ(前提知識がないと意味がわからない)作品であるが、個人的にはとても面白かった。

 

主役のリズアーメッドと、白人高給サラリーマンを演じるキーファーサザーランドが良かった。