小さな村で権力闘争をしていた頃から、だいぶ時間が経って組織がだいぶ大きくなってきた。
更に物理的にいくつかの拠点に分かれて物資を生産し、生活しているらしい。
だけど、あれだけ大きな集団になると、権力闘争や分断・紛争は避けがたい。
ストーンワールドでは近代国家的な統治機構はないはず。
石化組ならともかく、生き残り組には法治主義みたいな概念はなさそうだ。
となると、必ず反乱や闘争が起こる。
何なら石化組同士ですら闘争をしていたくらいなので、集団生活を円滑に問題なく行っていくのは至難の業である。
そして、ストーンワールドの主要メンバーはコミュニティを離れて開拓に向かっている。
2軍未満でうまく社会の秩序を維持することができているのだろうか。
だとすると、そちら側のドラマは開拓組にも負けないくらいに濃密なはずだ。
また、既存のうまくいく仕組みがその後も回り続けるわけではない。
手入れし続けないと設備は劣化するし、問題が起こったら修理しないといけない。
農業だって、ハーバーボッシュ法ができて農薬の生産ができていたとしても、天候不順や病害虫の被害は避けられないだろうし、現代でも我々の生活に大ダメージを与えている疫病はストーンワールドでは更に大きなリスクになるだろう。
復活して人口が増えれば増えるほど、科学技術を発展させればさせるほど、運用・保守に必要なコストも増大する。
現実的な政治が存在するとなると、千空達主要メンバーの開拓組を自由にさせるなんてことは、既存の保守運用組からすると到底許しがたいだろう。
ドキュメントを作り続け、生活インフラの冗長化を継続し続けるのが主要組の仕事だ。
半自動石化復活装置が存在する以上、もはやホワイマンなんて敵ではない。
復活液と石化復活装置の備蓄を増やしつつ、科学者や専門家を復活させて人員の冗長化をはかる。
千空達が宇宙だとか対決に行けるのは、十分に社会が形成されてインフラと人材の冗長化が済んで、彼らに何かあっても問題なく社会が回り続ける状態になってからだろう。
こんなことを描いていても少年誌で人気にはならないし打ち切りコースだろう。
それでも、彼らの行動は保守運用や内政の視点があまりにも欠けていて、かなりリスキーなことをやっているのではと思わざるを得ない。