ひろゆきと貧すれば鈍すこと

ひろゆきが酷いという話を目にすることが増えた。

何が彼をここまで道化にしてしまったのかというと、やはり2ちゃんねるを喪失したことだろう。

かつてのひろゆきもスタンス自体は今と変わらず、適当なことを言ってその場のレスバトルに興じていたけれど、いまほどそれに躍起になっていたわけではない。

言論人としての露出も同じで、ニコニコ関係にはよく出ていたものの、ニコニコの経営兼暇つぶしの娯楽くらいの感じだったように思う。

 

風向きが変わったのはジムに2ちゃんねるを乗っ取られて以降で、裁判で取り返そうとしたものの敗訴、scを作ったり4chを買ったりしたものの、おそらくかつてほどの収益は上がっていないのだろう。

2ちゃんねるという最大の資産を失って、残るのはひろゆき自身ということで、身一つで商売ができる言論人やインフルエンサーに行き着くのは当然の流れであったように思う。

 

インフルエンサーとして注目を浴びるために露出を増やせば増やすほどボロが出るし、必死になって口論をけしかける姿からはかつての余裕は感じられない。

 

 

ひろゆきが結婚をしてフランスに行ったのも賠償金の差し押さえ対策だろう。

おそらく個人の口座は差し押さえの対象になるため、パートナーの口座を通して報酬を受け取っていたはずで、今後もそれは変えられないということで結婚。

フランスに行ったのも、賠償に関わる民事訴訟法が変わって強制力が強まったこととは無関係ではないはず。

 

2ちゃんねる自体はアメリカの会社で運営されているし、日本での商売は差し押さえの対象になるため、キャッシュフローが潤沢であるにも関わらず、日本での新しい商売をなかなか始められなかったというのも今に繋がる。

もっと早くに移住して、海外籍の会社として手広くビジネスをしておけば2ちゃんねるがなくなっても余裕があったかもしれない。

でも本来のひろゆきは自由に寝て食ってゲームでもできれば幸せというタイプだったと思うので、こういう方向にはいかなかったようにも思う。

 

彼はたしかに一般人よりも金があるし自由に見えるけれど、彼がそう見せているほどには自由ではないのではないだろうか。

 

2ちゃんねるの賠償自体は不当なものも多いし本当に彼が支払うべきだとは思わない。

それでも、賠償金を踏み倒したことをおおっぴらに公言したのは悪手だった。

金のあるうちに新しい商売の種を撒いておかないと、ビジネスはいつか萎んでいく。

2ちゃんねるは乗っ取られたのでまた別だけど。

 

ひろゆきの現状は、ひろゆきの人格的な問題というよりも、経営的な失敗のせいで商売を変えざるを得なかった末の結果、というのがぼくの考えである。

それでも、インフルエンサーとして一定の収入があるのであれば、再起は成功しているといっても良いと思うのだけど。

 

改めて、後知恵バイアスでひろゆきがどうしておけば良かったのかというと

後ろ暗いことやそれにまつわるハックは一切公言しない

後ろ暗いことをしているうちはなるべく表に出ない

金があるうちに新しいビジネスをしてPPMを回しておく

日本から差し押さえできない金の流れを作っておく

なによりも2ちゃんねるを自分の管理下にきちんと置いておく

という辺りだろうか。

いや、こんなのはひろゆきではないような気がする。

 

あと、ひろゆきは詳しくないことは適当に知ってる風に語るけど間違っているのであんまり参考にならない。

はてなブックマークのコメントくらい間違ってる。

こういうのは自分の詳しい、正誤の分かる分野のコメントを見るといい。