秋と無灯火と害獣

 

涼しくなって自転車に乗る人が増えた。
それに伴って無灯火の自転車の割合が多くなった。
恐らく、夏場は暑くて自転車に乗らないという人達は一年中自転車に乗る人に比べて無灯火の割合が高いのだろう。

自分は無灯火はとても割に合わないことだと思う。
ライトを買ったり点けるコストと、事故った際の健康リスクや金銭的な支出を比べると、無灯火なんて到底できない。

でも、無灯火の人達は、ライトのコストと事故った際のリスクを比較した結果なのか、何も考えていないのか、無灯火で夜道を走っている。

そういう人達とは、前提になる考え方が違うのだから、ぼくたちができることは何もない。
彼らに期待したって無駄なのだ。
田舎の夜道に出る猪や鹿のようなもので、こちらが注意するしかない。
都内を走る動物、害獣のようなものだ。


そういうわけで、こちらでできるだけの対策をするしかない。
ライトの明かりを強くしたり、2個つけてみたり、ゆっくり走ったり。
少し前なら、カーブミラー等でライトを見て安全確認をしていたが、この方法はもはや安全ではない。
真っ暗なところから無灯火の自転車が突っ込んでくるという前提で、なるべく注意するしかない。


無灯火で自転車を運転するような人は、事故のリスクを極端に低く見積もっているので、当然のように飲酒するし、スマホを見ているし、イヤホンを着けているし、逆走も信号無視もする。
猪や鹿の方がまだマシな気がしなくもない。
彼らには一切の期待をしてはいけない。
気づいてくれるだろうとか、避けてくれるだろうと思うのは大きな間違いだ。
腹を立てたりすることすら無駄で、そういうもんだと思うしかない。
馬鹿の命はぼくたちのそれよりも、よっぽど安いのだから、命も健康も時間も感情もあらゆるリソースが彼らとぼくたちでは価値が異なる。

寒さが厳しくなると彼らはまた減るので、それまでの辛抱である。