割に合わない行動に巻き込まれないための自衛

夏になって無灯火の自転車が増えた。

ちょっと道理の分かる人なら無灯火って割に合わないよね、ということが分かるんだけど、それは持つものの理論。

 

割に合わないことが分かるためには、計算できる頭と失うものが大きいという前提がある。

たとえば、数千円のライトを買うのと交通事故にあって死んだり多額の賠償をしたり、障害を負うリスクを天秤にかけると、多くの人は数千円のライトの方がお得だよね、とすぐに分かる。

でも、実態として無灯火は多い。

 

こういう計算ができない人は割と一定数いるし、そもそも失うものがなければ失うことを恐れる必要もない。

いま満たされているから死にたくないのであって、いつ死んでもいい人は無灯火が割に合わないわけではない。

 

そもそも、世の中がそんなに合理的なら、強盗殺人とか放火とか殺人なんて今ほど起こらない。

多くの場合、そんなことは割に合わないから。

数万円のために数年以上の投獄リスクなんて、どう考えても割に合わない。

 

でも、世の中には計算ができないか、持たざる者か、もしくは割に合わないと分かりつつ衝動に従ってしまう人が一定数いる。

それはもう、猛獣みたいなものとして捉えるしかない。

 

民家に押し入って人を襲うクマは、たいてい射殺処分されるわけだけど、彼らに割の計算はできない。

だからといって、熊を馬鹿にしたり、全面的に信頼して自衛を怠るのは、同様に実態を無視した行動だ。

 

世の中に、自分基準で考えると割に合わない行為はめちゃくちゃ多いが、彼らの存在を認識することは自衛のために必要だ。

頭のいい人は彼らの存在をあまり考えられないし、そうでない人は彼らに腹を立てる。

でも、本当に賢い人は彼らをカモる。

 

個人的には、酒とタバコは確実に不健康になる行為で、金を払って不健康を買うなんて割に合わないと思うのだけど、世間でこれだけ市場があるということは、そういうことなのだ。