ブランドと信用の時代

ブランドは信用である。

 

最近は日本人の民度が低くなって、自分が得するためには相手を騙しても良いという人が増えているという話を目にする。

でも、個人的には最近の話ではないと思っている。

 

詐欺は昔からあったし、全体的に見ると治安は良くなっていると思う。

ただ、インセンティブの問題だと思っている。

 

長期的に見ると、人を騙さず信用を積み上げて、ブランドを構築することがより大きな成果につながる。

資金的に余裕があり、先の大きなビジネスを想定するのなら、目先の利益のために悪評を立てるよりも、真っ当なビジネスをするほうが得なのだ。

 

ただ、そうじゃない層が一定数存在し、彼らが人を騙すプラットフォームにアクセスする手段が増えたというだけなのだ。

長期的な視野を持たない人は、目先の利益のために人を騙し、信用を損なう。

 

そう考えると、ビジネスにおけるブランドというのは、大変に価値のあるものだと分かる。

一長一短には構築できず、問題を起こすとその価値は瓦解する。

長期間の信用を積み上げて、今後も信用を獲得し続けることが双方にとって得だということが、公然とで理解されている。

大成した経営者ほど、信用を重視し、ブランド価値の重要性を説く。

 

でも、ぼくたちみたいな、持たざるものにはその重要性は全く理解できない。

ようやく理解できたのがつい最近のことである。

 

今後もブランドの時代は続くだろう。

信用を得られれば得られるほど、それを裏切ることのメリットが消失する。

それが続けば続くほど、さらに信用は積み重なる。

信用が信用を生む正のフィードバックを生む。

 

ブランドの利点は、信用の価値が無形であるという点だ。

物があったり、スペックだったり、形があって比較検討できるものの価値は算定が容易だ。

そういうものには、消費者の支出はシビアになる。

でも、無形のものや、価値の曖昧なものは、比較検討が難しいので、利幅を大きくできる。

つまり、ブランド料というものは、利益率が非常に大きいものなのだと言える。

 

ブランドというのは、決してラグジュアリーブランドとそれに群がる価値の分からない連中のものではなく、もっと実利的で金を生むものなのだ。

 

最後に、信用を積み上げるといっても、これは開かれた市場に対して、でなければいけない。

コンビニバイトでいくら信用を積み上げても、その価値は他者から見えないし、理解もできない。

自分の、あるいは自分の商品のブランド価値は、それを高めることが評価される場所で行う必要がある。