インデックス信者はトートロジー

インデックス投資がアクティブファンドに比べて取引費用が低いためマシであるという意見には同意するが、インデックス投資なら確実に儲かるという意見には懐疑的。

 

最近聞く話は、インデックス投資ならほぼ確実に儲かるという言説。

多くのインデックス信者が言っているのは、今株価が上がっているから、過去のどの時点で投資しても儲かる、という後付けを喧伝しているにすぎない。

言い換えると、株価が上がっているから今後も上がるという予測に基づいている。

チャートを見て後付的に予測することの馬鹿馬鹿しさは、少しでも相場に触れたことがある人なら分かると思う。

 

相場に関する話題が盛り上がっているときがどういう状況なのか、というのは過去を振り返るまでもない。

 

他にも資本主義に賭けるとか、まあ色々と言い分はあるだろう。

でもその正しさの論争にはあんまり意味はない。

相場で他の人が間違っていると思うのなら、それを指摘してカモを逃すよりも、黙って利益を享受したほうが、よっぽど正しい姿勢なのだ。

相場観の正しさは結果が証明してくれる。

 

個人的には、投資は金が余っていて他に良い運用先が無いならやればいいと思うし、自分で事業を持っているなら、そっちに投資をするほうが効率がいいと思っている。

ちゃんと回っている事業ならリスクリターンはインデックス投資よりも割がいいはずだし、よく分かっているところに金を賭けるというのは、投資の常識だと思う。

 

そういう意味では、金の少ない若者が投資をする意味をぼくはあまり見いだせない。

美味しいものを食べて経験を買ったり、良いPC等を買って道具に投資するほうが、若者にとっては重要なのではないかと思っている。

ただ、ぼく自身若い頃の投資の経験で得たリテラシーと、そのときに作った僅かなお金がその後に生きていることはあるが。

 

まあそういうわけで、ぼく自信はこの水準で株式インデックスの長期投資なんてしないけど、する人がいてもそれはいいと思う。

相場に対する言説の正しさを論争するほど無意味なことはない。

人生にノーポジはないし、それぞれが信念に則ってポジションを取って、それに見合った結果を得る、ただそれだけのことだと思う。

 

 

追記

出口戦略について

 

もう一つ付け加えると、インデックス信者の言っていることは、上がれば買い増し、下がればナンピンすればいい、ということである。

これは結局、長期的には上がるんだから取得単価なんて問題にならないと言っている。

本当に死ぬまでそれを続けて代々資産を受け継いでいくならそれでもいいのだが、いつか使うのならそれは問題になりかねない。

出口戦略が存在しないのならば、資金が必要になるタイミングの株価と取得単価次第では儲からない可能性はある。

更に言うと、出口を想定しないということは、儲かっていて含み益がある状態でもそれを確定しないと言っているに等しい。

今コレだけ儲かっていますよ、という人も割高割安の判断がつかず出口がないのであれば、株価が下がった時点でいずれ含み益はすり減ることになる。

 

こういうことを考えると、長期投資をするのであれば、割高割安の判断水準や出口戦略を持っておいたほうがマシなのでは、と思ってしまう。

少なくとも自分の年齢と資金需要のタイミングを考えて、いくつかのパターンを想定しておいたほうが良いと思う。

 

自己投資と収益率について

株や債券以外のものに投資をするとき、それの収益率がどのくらいになるのかを考えるのはいい習慣だと思う。

たとえば、高いPCを買う、これでビルド時間の短縮や作業効率の向上で年50時間の節約になる。

時給を5000円とすると、25万円の節約効果があり、PC本体の価格が25万なら100%の投資効果が生まれる。

みたいに計算すると、せいぜい2-5%くらいのインデックス投資に比べてPCの購入が非常に割のいい投資であると分かる。

 

こういう風に、自己投資のリスクリターンや収益率をインデックス投資と比較して、どちらがいいのかを選んでいくというのが、自己投資の考え方になると思う。

投資の考えを相場以外に適用することで、相場に参加しなくても利益を得ることができるし、庶民はそちらの方が重要である、と思っている。