資本主義社会ではデカさが正義だ。
金があると競合他社の二番煎じ三番煎じの商品でも赤字を垂れ流して価格競争に追い込んだりプロモーション攻勢をかけられる。
何ならもう買収してしまえばいい。
時価総額がデカい時点で半分勝ったようなものである。
時価総額のデカさと、儲かっているかどうかは別の話である。
Amazonが長期間赤字を垂れ流してきたのは有名な話。
でも、IT企業は赤字でも許容される風潮がある。
さらに、IT企業は株価指標で高いバリュエーションが付きやすい。
同じ利益額であっても、製造業やサービス業と比較して、とても割高な株価がつく。
アメリカ株の値上がりは過去数十年IT系がほとんどだ、と言われるのは儲かっているだけではなく、バリュエーションの問題でもある。
そうして利益以上にデカくなった金で競争優位を保ち続ける、これはIT業界が他業種よりも構造的な優位性を持っていることを表している。
また、IT業界は製造業などと比較して設備投資が少なく、労働生産性も高い。
これが何に繋がるかというと、節税のしやすさである。
またAmazonのように、意図的に赤字を垂れ流すことで納税額を減らすことも難しくない。
こうしてただでさえ大きな競争力の差が、気づけばとてつもない大差になってしまう。
GAFAが凄いのは、世間で言われるように天才が働いているから凄い、というのも間違ってはいないのだけど、その背景にはこういった構造上の利点があったりする。
日本企業が世界に勝つためには、まともにやっていても意味がない。
幻想を見せてひたすらに時価総額を上げ続け、節税であらゆる支出を減らす。
これが資本主義の戦い方。