良い労働者と良い商売人は別である

スキルアップとか資格とか肩書とか、そういうものを積み上げていくと良い商売人になれると考えている人がいるけれど、それは全く別物だと思う。

良い労働者というのは、いかに自分を規格化・標準化していくかというものである。

自分がどれだけのことをできるのかを客観的に示して他人に使ってもらうことでより高い賃金を得る。

 

では、良い商売人は何かというと、他の人とは違うことをできる人だ。

効率的な市場にできた隙間にある旨味を拾っていくのが良い商売人であって、競争は無ければないほどいい。

他にも似たことをやっている人がいると競争が生まれて旨味は減る。

つまり、規格化を目指す商売人なんてのは、商売人としては出来が悪い。

自分のやっていることはなるべく他人に理解されないほうがいいし、儲かっていることを悟られない方がいい。

金があることを喧伝する商売人のほとんどは、あまりルールが分かっていないか、儲かる方法を売る詐欺師だ。

 

そもそも、儲かる方法さえ見つかってるなら自分がそれを実現できなくても、できる人(規格化された人)を見つけてきてやらせればいいだけの話なのだ。

 

ということで、金を稼ぐと言っても労働者と商売人はまったく別のベクトルなので、それらは決して直線上にはない。