PFPで軽量級は優遇されすぎ

PFPはヘヴィー級以外のためのもの、主に軽量級が評価されるためにあるわけだけど、流石に軽量級の過大評価が酷い。

ロマゴンが圧倒していた時期ならまだしも、階級を上げて太って鈍ったロマゴンに勝ったシーサケットとか、そのシーサケットに勝ったエストラーダとか明らかに過大評価もいいところである。

そもそも軽量級の動きが機敏なのは軽量級だからであり、階級があがるとそれらの長所は消える。

サイズをそのままにスケールアップしたボクシングが重量級でできる訳がない。

 

軽量級はそもそも選手層が薄く、それ故に人種や出身国に偏りがある。

それは当然競技者のレベルにも繋がるし、スタイルの幅も狭くなる。

選手層が薄い階級で圧勝することと、選手層が厚い階級で確実に勝ちを積み上げることで、前者が勝れているとは必ずしも言えない。

更にいうと、ボクシングではスタイルが試合を決めるという言葉がある。

軽量級にはロシアや旧共産圏の硬く破壊力のある拳も、黒人がよく使うL字ガードに股関節から折り曲げるダッキング等の技術体系もない。

スタイルが多様化している方が、当然勝ち続けることは難しくなる。

 

さて、では何故軽量級の選手層が薄いのかというと、軽量級は稼げないからである。

北米ではフェザー級からがスタート地点という話があり、力のあるボクサーはフェザー級以上からキャリアを始める。

例えば、ライトフライ級からバンタム級まで取った(1階級飛ばしではあるが)井上尚弥の身長は165cmでリーチは171cmだが、フェザー級の帝王ゲーリーラッセルは身長165 cmでリーチが163cm、Sフェザーとライト級の2階級王者ジャーボンテイ・デービスは身長166cmでリーチ171cmである。

これはフレーム差を考慮に入れている数字とは言えないが、少なくともスペック的に井上と北米で活躍している王者達に違いはない。

むしろラッセルはかなり小さいフレームで無理してフェザー級で試合をしているように見える。

北米のファイター達は元から大きいわけでなく、少なくともフェザー級から始めるために体を作っていると考えるほうが正しそうである。

平均身長の差はあれど。

 

さて、これらを考慮して軽量級の層の薄さと、それを考慮しないPFPという指標はあまり実態を繁栄していないのではないかと思う。