メイウェザーvsポール

メイの負け。

KOしないとブランドが下がる試合で普通にいい勝負をされて判定まで行った時点でメイの負け。

採点なんて当然してないけど、内容的には普通に判定負けもあり得たんじゃないかってくらいの試合だった。

予想以上にポールが頑張っていた。

素人かと思いきや、ジャブ&クリンチを多用するハードクリンチャーっぷりを見せつつ、メイの単発の飛び込み際のフックやストレートは貰わない。

ボディはけっこう貰っていたように見えたが、見た目の筋肉は伊達ではなく、ちゃんと耐えられていた。

素人パンチの強みはなかったけど、普通にアマチュアボクサーがやれることを最大限やったように見えた。

KOできなくて終盤に涙目になってるメイウェザーも、試合後にお通夜モードになってるメイウェザー陣営も新鮮で良かった。

 

あと、メイウェザーって禿げてるのかと思ったら普通にフサフサで、髭と坊主スタイルだとSrにそっくりだった。

あとブローナー。本当に兄弟と言われても信じる。

なんならポールの方が禿げていた。

 

メイウェザーは自分よりもフレームが大きい相手やリーチの長い相手を避ける傾向にあって、アレは自分のスタイルの欠点をよく把握していたんだなと改めて思った。

ハイガード&プレッシャースタイルでもある程度はやれるけど、それ以上のことはできない。

それが分からなくなるまで耄碌したのかと思うと、少し悲しくなった。

 

あと前座の試合もなかなか酷くて、バドゥジャックがただただ場違いで浮いていた。

なに一人だけクソ真面目にボクシングしてるんだアイツ。

 

今回はポールの勝ち。圧倒的に。

 

追記 体格差について

階級制の競技においては、競技に不要な筋肉をつけることは不利に働く。

ポールの大胸筋なんてのは、ボクサーなら削ぎ落とすべきものだろう。

しかし、階級をとっぱらえば、その筋肉でさえ大きなアドバンテージになるということが明らかになった日だった。

 

今日のメイの出来は決して悪くない。

那須川戦は当然として、下手をするとマクレガー戦以上のコンディションに見えた。

今日のメイに日本ウェルター級のトップ選手が勝てるか、あるいはポール以上の善戦ができるかというと、難しいのではないだろうか。

ポールの善戦の要因は、ジャブ&クリンチとメイ対策が功を奏したこともあるが、一番大きいのはやはり圧倒的な体格差だろう。

アマレベルのスキルでも、体格差を持ってすれば圧倒的なスキル差を埋めることが可能だ。

 

よく喧嘩最強の競技は何か?というあまり意味のない議論が存在するが、今日のポールはその答えの一つを提供してくれている。

最強の競技の候補の一つは、筋トレである。

筋トレで筋肉量を増やすことは、無差別級の喧嘩では明らかにアドバンテージになる。

今日はボクシングであったが、組みありの喧嘩ならアドバンテージはより大きくなるだろう。

素人が強くなるのに格闘技を極める必要はない。

筋トレをして体を大きくし、格闘技を齧るのが、おそらく高コスパだろう。

もっと効率的なことは、武装することだし、この手の仮定は得てして無意味なのだが。