競技への理解と競技観戦の楽しさ

ボクシングが好きでよく見るのだけど、ボクシングの魅力は人が倒れる場面以外にある。

KOシーンが生まれるのは、パンチ力が強い選手がいきなりぶん殴ったら相手が倒れるからではない。

相手との距離と角度とタイミングの奪い合いをして、相手の癖を盗み、フェイントやパンチを散らすことで本命のパンチを隠す。

さらに、ポイントゲームを制すためのポイント計算、スタミナ配分など勝ち負けが決まるまでには数え切れないほどの要点がある。

これは、長く見続けないと理解できるようにはならないし、たんに見ているだけのぼくと選手の目線はまた違う。

さらに、高いレベルで戦っている本人ともなると、想像もつかない理解度の差が存在する。

それでも、少しでも細い技術のやりとりや駆け引きを理解できる方が楽しい。

 

ハイレベルな選手の試合は、必ずしもエキサイティングな試合ではないかもしれない。

でも、高度な(広義の)技術は必ず垣間見えるし、それが至福だったりする。

 

何が言いたいかというと、技術への理解が浅いまま、得点シーンや勝ち負けだけに興奮しているのは、じゃんけんの結果に興奮しているのと大差ないように思う。