ウシクvsチゾラ 感想

今更感があるが、ウシクのヘヴィー級挑戦試合。

ロマチェンコの負けから少したつが、ボクシングの崩壊具合だとウシクの方が遥かに酷かった。

さほどフレーム差の大きくないチゾラ相手にも圧力に負けリング中央を取れず、得意のフットワークはサークリングに使うしかない。

それでもすべてを捌けずに最後のフックを被弾する。

チゾラのリングカットは別に上手くないけど、チゾラは左右に動くウシクに延々とフックを振り続けてたら楽に勝てた試合にも思える。

それくらいパワー差に圧倒された試合だった。

 

ウシクの持ち味はフットワークと連打のロマチェンコスタイルだが、パワー差がある中での連打は途中にカウンターを合わせると寸断できる。

10発食らっても1発当てればお釣りが返ってくる。

これはロペスがロマチェンコ相手にやったことでもあるが、ウシクは更にパワー差をつけられて持ち味を発揮できなかった。

後半に疲労で落ちてきたチゾラ相手にあと一歩のところまで追い込むウシクも流石ではあるが、ここで仕留めきれないところにパワー差を感じる。

 

 

クルーザー時代ですらややパワーレスだったウシクのパンチではヘヴィー級に効かせることはできない。

かといって、今ですら重くなったフットワークを犠牲に更なる増量をしてパワーを付けることがいいのかも分からない。

フットワークはプレッシャーに押しつぶされ、連打もゴリ押しで対応できる。

こうなると最早どう戦っても詰みが見えているように思える。 

勝ちはしたが、ウシクの前途多難なヘヴィー級挑戦が浮き彫りになった一戦だった。

個人的にはヘヴィー級王者クラスとの戦いができるクオリティではないと思うし、来週末の英国プロスペクト対決、ダニエル・デュボアvsジョー・ジョイスの勝者あたりと戦うのが面白そう。

ジョイスとはアマ時代に試合をしているし、ジョイスからのラブコールもあるようだ。