ドアに突っ込まれた足は即座に蹴り飛ばせ

フットインザドアというテクニックがある。
通したい要望があるときは、まず小さな要望から通せというもの。
飛び込みセールスがドアに足だけ入れてセールスを開始するというたとえから名付けられた。

今起こっているパレスチナ問題も、少額の見積もりが数倍以上の予算に膨らむ公共事業も、はじめに小さな要求をはねつけられなかったことから始まっている。

一旦許可を出してしまうと、初期の約束は反故にされ、ズルズルと状態が悪化してしまう。
一度動き出した物事を止めるには、動き出す前の数倍~数十倍の労力を要する。
そして、大抵は止められないまま更に被害を拡大させる。

東京五輪を思い出してみればいい。

最初に許可を出す際には、これくらいなら良いだろうとか、少しくらい温情を見せる方がお互いのためだろう、なんて思ってはいけない。
最初に譲歩したラインは次第に相手にとって当たり前になり、さらなる譲歩を求めるようになる。
最後には玄関どころか家全部を乗っ取られるまで相手の求める譲歩は突き進んでくる。
最初であればほんの些細な対立で済むが、自体が進めば決定的な対立を生み、最終的には命のやり取りになることもある。
ドアに突っ込んだ足を蹴飛ばすのがお互いのためなのだ。

小さな要望をしてくる相手には、それが更に拡大した姿を想像した上で対処するべきだ。
よほど自分にメリットが無いのであれば、最初のうちに蹴っておくのが良い。
もっとも、自分に決定権があり、自分の意志や判断力に自信があるのであれば、要望を飲んでも途中で切り捨てることもできるだろう。