とんかつとステーキは小さいものを頼む

とんかつとステーキは小さいものを頼むのが満足につながる。

理由は収穫逓減の傾きが大きいからだ。

言い換えると、一口目と最後の一口の満足度の差が大きい。

とんかつは最初のひと切れが最も美味しく、最後のひと切れが最も美味しくない。

データはない。

 

なぜ収穫逓減の傾きが大きいかというと、2点考えられる。

1. 提供された直後が最も美味しい食べ物だから

2. 食べ続ける中で自分の中の満足度が低下していくから

 

1に関して

とんかつやステーキは提供された直後が最も美味しい。

理由は、調理後に食感や温度が低下していくから。

とんかつを例にあげると、揚げたてはアツアツで肉は柔らかく、衣がサクッとしている。

しかし、時間とともに肉は冷め固くなり、衣のサクサク感はなくなっていく。

空腹状態の自分が2人いたとして、揚げたてのトンカツと提供から20分経過したとんかつ、どちらを美味しいかと思うか。

当然揚げたてだろう。

つまり、トンカツという食べ物は提供された直後が最も美味しく、その美味しさは時間とともに急激に低下していく食べ物なのだ。

ステーキも同じだ。

 

2に関して

トンカツやステーキは食べ続ける中で満足度が低下していく。

脂っこい肉全般に言えることだけど、脂っこいものは食べ始めた頃はとても満足感が得られるが、徐々に重くなってきて、最後はキツさすら感じる。

人間の体は脂とタンパク質大量に摂取できるようにできていないため、こればかりは仕方ない。

たとえばワンコそばのように揚げたてトンカツが次々と目の前に提供されたとしても、満足感は急激に低下していくだろう。

 

つまり、トンカツやステーキは一口目にどれだけ美味しいものを食べられるかが満足度に影響するというわけだ。

つまり、デカイ肉を注文するより、小さい肉でいい。

そのぶん、肉質は良いものがいいというわけだ。

 

全ての食べ物の満足度は収穫逓減するだろう、そんなの当たり前だ、という人がいると思う。

ただし、今回のキーワードは傾き。

つまり、時間経過とともにどれだけ急激に満足度が低下するのかという話だ。

時間の経過とともに満足度が低下しにくい食べ物がある。

それは鍋だ。

鍋は提供されてから最後のシメまでずっと温かく、最初と最後で食感や味が低下しない。

むしろ時間とともに出汁が出て美味しくなる食べ物とも言える。

これは鍋そのものが、時間経過とともに美味しさが低減しない料理ということだ。

腹ペコの貴方が提供直後の鍋を食べるのと、提供されて30分後の鍋を食べたとき、その美味しさにどれほど違いを感じるか。

恐らくさほど差がない。

それどころか後者を支持するはずだ。

 

食べ進めてもあまり満足度の変わらない料理もある。

たとえばサラダやフルーツ。

サラダはさっぱりしているし、食物繊維でお腹が膨れることはあれど、胃もたれして気持ち悪いと感じることはあまりないはずだ。

そもそもサラダは肉と比べて美味しくないだろう、と言われるとなんとも言えないが、サラダは沢山食べても美味しさが長続きする料理と言える。

フルーツも同じだ。甘い分飽きがきやすいが。

 

ここまでの話を総括すると、小さくて肉質のいい肉料理と大量のサラダの組み合わせがステーキやとんかつ屋の最適解となる。

一回の来店でデカイ肉を頼むより、小さい肉でこまめに通った方がいい。

嫌がられるかもしれないが。

もしくは鍋。

 

美味しい食事のために時間経過をうまく利用する、なんてのはお店ではとっくにやっている手法だ。

レストランのコース料理では、少量の料理をチマチマと持ってくる。

できたてがうまいので、できたてを複数回持ってくるということだ。

家でも同じことができる。

ステーキやとんかつはなるべく小さく切り、複数回にわたって提供する。

火の通し方が難しいとか、面倒だとか、デメリットはある。

 

そういうわけで、最近はとんかつやステーキはあんまり大きいものを頼まないようにしている。