ボクシングのドーピングと怒りたい人達
選手でもないのにボクシングのドーピングや体重超過に憤る人達って昔からよく分からないと思っていたけれど、自分の中で一定の結論が出た。
芸能人の不倫や交際に憤ったり叩く人のメンタリティと同じだなと。
まず誰かを叩きたいと思う感情が先にあって、矛先や理由は後付けで決まる。
だからネリやカネロはドーピング野郎で(これは間違ってないけど)尾川はただのミスみたいな、とんちんかんな理由で人を叩いたり擁護したりする。
論理的な整合性があるわけではないのだ。
だって叩ければいいんだから。
で、ここからはボクシングと違反の話をします。
プロボクシング業界でアンチドーピングを本当にやる気があるのかと言うと、全くないと言っていい。
実質的に黙認されている。
検査はザルでまともなトレーナーをつけたらほぼ引っかからない。
日本に至っては、まともに検査すらできないというのが井岡vs田中戦で分かった。
まあ、ネリを散々批判したその口で尾川はミスだって言い切る帝拳に誰も指摘できないんだからそんなもんでしょう。
関係者で尾川を糾弾する人がいないというのは、そんなものまともにやる気がないということです。
ボクシングが上っ面だけはクリーンだと示してるのは一般層やスポンサーのためであって、本気でクリーンにするつもりは一切ない。
現状のドーピングというのはちょっと前のタックスヘイブンみたいなもんで、バレたら怒られるけど粉飾みたいな悪いことではない。
道義にはもとるが、競技的なリスクリターンがやったほうが得方向に傾いている以上、ドーピングをやらないで強さを捨てるのは真摯でないとも言える。
ちゃんとコストをかけてやればほぼ問題にならない点もタックスヘイブンとドーピングは似ている。
そして、体重超過も同じく批判されがちだけど、これも本当に超過を減らそうとするつもりなんてない。
体重超過を減らす方法は明確で、メイウェザーやカネロがやったように、超過分に対して過大な違約金を契約に盛り込むだけでいい。
あの体重超過マシーンドラ息子チャベスJrが必死こいてダイエットに励んだのもカネロ陣営が契約で超過させたら大損するようにしたから。
これを常にやるのであれば、パフォーマンスを捨てても体重作るでしょう。
それをしないってことは、真面目に対策する気がないということ。
まあ、日本以外ではそもそもそこまで問題になってないけど。
そういうわけで、見かけ上のクリーンさに騙されて親の敵のようにボクサーを叩いてる人は現状が見えてないんじゃないかなと。
個人的には、ドーピングや体重超過は万人に開かれた権利(メキシカン無罪はあるが)なので好きにすればいい。
でも、国籍やファンベースを元にしたAサイドが契約もコンディショニングも判定も有利になるというのは、フェアじゃないなと思うし、個人的にはこっちの方が許せない。