ドネアの過大評価がいまさら止まらない

井上相手に善戦したことでドネアの評価が日本でなぜか上がっているが、いまのドネアははっきり言ってロートルだ。

ドネアはロイジョーンズと被るものがある。

全盛期はフットワークと手数の圧倒的なスピードでKOの山を築いたものの、どこかのタイミングでそれを失い、代わりの武器を得ることなく過去の貯金を切り崩している。

ドネアの転機はモンティエル戦で、アレ以降はフックをぶん回すだけのブンブン丸になってしまった。

かつての、フライ〜バンタム級の頃のドネアはとにかくバネのあるフットワークが素晴らしくて、パンチのパワーやスピードは脚のスピードから生み出されていた。

ピークは恐らくフライ〜Sフライだろう。

体格のアドバンテージもあり、恐ろしく強かった。

 

多くの選手は加齢とともに優位性を失っていく。

経験で補えるものもあるが、多くは失うペースのほうが圧倒的に大きい。

ロイジョーンズとバーナードホプキンスという偉大な王者がかつて拳を交えたが、ホプキンスが節制と経験で歳を取るほど強みを増していったのと対照的に、ロイジョーンズは全盛期の輝きを失っていく一方だった。

残念ながら、ドネアはジョーンズタイプだろう。

もはやかつてのドネアとは別人で、全盛期のドネアなら今のドネアは一蹴できるレベルだ。

ウバーリにはこの程度の試合を簡単に片付けてほしい。

 

ドネアの文句ばっかり書いてても仕方ないので、若い日のドネアのオススメ試合を。

vs ダルチニャン1

当時全勝、のちのレジェンド王者とのタイトルマッチ。2冠戦。

個人的にはダルチニャンの下手上手ボクシングが大好きなのだが、ドネアの左フックに沈む。個人的にはその前のストレートが布石になっていたと思う。

 

vsシドレンコ

こちらも嘗ての名王者との試合。

堅実な古き良きアマチュアスタイルのシドレンコに何もさせずにふっとばす。

もはやイジメに近いほどのパワー差があり、シドレンコはガードしているのにガードごと吹き飛ばされた。

 

vsラファエル・コンセプション

基本的にフライとSフライの試合は圧倒しているので、今の井上の試合を見ている感覚と被る。

その全盛期ドネアが唯一判定まで行った試合。

あのムザラネさんですら負傷TKOなのに。

バチバチの打ち合いが見られる。

負傷しながらもプレッシャーをかけて、ドネアを後退させるコンセプションの頑張りが凄い。

普通に打ち合いではコンセプションが勝っていたように思うが、ドネアがランニングに切り替えてポイント勝ちした試合。