話題の映画には近寄らない

話題の映画というのはふだん映画を見慣れていない人でも理解できるものであって、分かりやすいストーリーに分かりやすい演出、分かりやすい構図をもとになりたっている。

映画を見慣れていると、ある程度おなじみの演出は省略しても伝わるし、最小限の説明で理解することを観客に強いることもある。

すべてを説明すると冗長で間延びしたものになるからだ。

しかし、見慣れていない人が理解できるということは、それを丁寧に説明しているということだ。

同様に構図にしても、人物を撮るのに一番わかりやすいのは顔や上半身を画面のど真ん中に置いてしまってカット数を少なくする。

日本のドラマみたいな撮り方をすると分かりやすくなる。

その反面、退屈で間延びしたシーンが続くことになる。

何よりもストーリーが理解できないといけない。

ふつうの人は映画にストーリー性を求める。

考察が好き、なんて話もある程度の説明がなければ多くの人は考察まで至ることができない。

感動的なストーリーがなければ嫌だという人もいる。

 

結果的に、多くの人が見て面白い話題の映画というのは、尖った刺さる映画ではなくて、誰が見ても合格点という映画ということになる。

だからそういう映画の話題には悪食のぼくは近寄らないようにしている。