嘘から始まった宗教は早晩オカルト化する

21世紀は三大宗教で言えば、仏教が伸びた時代だと言える。

イスラム教はさておき、西洋諸国でキリスト教離れが進んだ。

仏教に関しては、熱心な仏教徒が増えたというよりも、仏教的な思想が緩やかに人々の間に浸透した。

瞑想とか、マインドフルネスとか、禅思想といったもの。

この違いがどこにあるかというと、キリスト教はフィクションが根底にある宗教で、仏教は個人の内的な安寧を求める宗教だというのが主な理由だと思う。

科学の発展に伴って、キリスト教の聖書の内容が信じられなくなった。

キリスト教徒や協会は、現代的な科学観と聖書の間で折り合いをつける必要がでてきた。

その結果、一部の人々は科学を否定する側になった。

要するにオカルトを信奉するということ。

 

反対に仏教に関しては悟りを開くことを目的にしている。

個別のエピソードにはフィクションが含まれるものの、根元的な価値は個人の体感に依る。

突き詰めていったとき、科学との折り合いがつけやすいのが仏教だったというわけ。

 

今後の宗教というのは、科学との折り合いをどうつけるか、というのが課題だと思う。

そこで、科学を否定するのはオカルト化へ突き進む道である。

壮大なフィクションを根元的な価値とする宗教は、今後は先細ってますます先鋭化していくのでは、と思っている。