個人的にここ最近でいちばんのビッグマッチがこれ。
トニーハリソン戦の次に楽しみだった。
デービスは最近になって技術力の向上が目覚ましい。
昔は遠目から飛び込んでフックみたいな身体能力に頼ったボクシングをしていたのが、ハイガードでプレスをかけたりジャブを丁寧についたりと、小型カネロ化している。
でもフレームサイズはライト級にしては物足りなくて、前戦のクルス相手には苦戦を強いられた。
対するロメロは明らかに異様なファイターで、全力で力みまくって奇声とともにパンチを振り回す。
たしかWBAの暫定か何かを持っていた気がする。
どこかしらエドウィン・バレロを彷彿させるファイターで、技術には劣るし粗いけど、独特のタイミングと軌道から放たれる重いパンチを12Rの中でどこかで当ればいいという選手。
ただバレロと比較するにはまだ粗い。
全勝でここまで来たものの、最高実績はアンソニー・イーギットで、ジャクソン・マルチネス相手には疑問符のつく際どい判定勝利と実績的には物足りない。
それ以外はほぼ噛ませ相手に作った戦績と言っていい。
試合のポイントとしては、デービスの総合力が勝つか、サイズとパワーでロメロがねじ伏せるかというところ。
ロメロは前半型のKOパンチャーではないため、長期戦を視野に入れつつ戦うことになりそうだが、長引けばデービスの技術に削られることになりそうだ。
しかし、ここ数戦のデービスは序盤は押し込まれる場面も見えるので、そこで決まる可能性もある。
スピード、ディフェンス、技術、経験とほぼ全てで上回るデービス有利だけど、ロメロの独特なパンチとパワーに期待も持てる、いいマッチメイクだと思う。