プロ格闘家が試合するより素人小突く方が金になる時代

youtube全盛期。

街の喧嘩自慢とスパーしてみた。

なんて動画をあげるだけで試合に出るよりも金になる。

そもそも格闘技なんて儲からない。

儲かるのは世界トップの一握りだけで、それ以外のほとんどはサラリーマン以下の収入でバイトで食いつないだり、コーチ業で身を立てる世界だ。

そんな中素人を小突くだけでノーリスクで金が入る。それも試合で入る金よりも遥かに多い金が。

こうなると心が揺らぐのは仕方無いだろう。

自分の立ち位置を知る選手ならなおのこと。

 

日本人は昔から不良が好きで、しかも日本の広告単価は高い。

こういう訳で、プロとプロの真剣スパーよりも素人の不良を小突くバラエティが数字を取り、それで試合よりも金が稼げる。

 

競技レベルの高さよりも、分かりやすいキャラクターで売る方が簡単だ。

不良だとか、悪役だとか、国のヒーローだとか、そういうものは素人でも分かるが細かい技術や選手の相対的なレベル差は伝わりにくい。

選手のレベルが上がると試合は膠着した展開が増えるし、試合はより分かりにくくなる。

 

競技者としてのトップを目指すよりもバラエティ番組の方が儲かるという現象は主に日本特有だが、世界的にも似た現象はあり、素人の人気YouTuberの方がボクシングの世界王者よりも稼げるということが分かってしまった。

メインイベントをYouTuber同士が戦い、その前座をプロの世界王者がつとめるというもので、プロの後に素人の試合なんて見られないと思うかもしれないが、世界王者の判定試合よりもメインの素人同士のKO決着のほうがウケが良かった。

このことから、今後も人気者同士が試合をすればプロよりも稼げる事例は増えるだろうし、素人試合は増えていくことだろう。

 

思い返せば曙vsボブサップがメインイベントなんてこともあったし、UFCもかつては素人のプロレスラーが出ていた。

 

こんな時代に真面目にプロ格闘家として競技レベルを磨くことが果たしてその選手のためになるのか、ぼくには分からない。

このまま格闘技のバラエティ化が進んでいくのだろうか。